今年、苦しくなった時期があった。
1人の女の子にメールを出した。
「元気?最近どうしてるの?」って。
なんて情けない事をしているんだろう、って。元気?じゃねえよ。
構ってもらいたいだけじゃねえか。
本気で相手のことを思いやっていたらそんな言葉で間を繋ごうなんて考えねえよ。
すぐに連絡があった。
「元気ですよ。○○さんはどうですか?」
嬉しかった。もちろん、合わせてくれているだけだろうけれど、それでも嬉しかった。
そして、暫く他愛もないやり取りをして、1日が終わった。
それから1ヶ月ぐらいして、僕は表現活動の発表があった。
その日も、本当に心が潰れそうな程落ち込んでいた。
本当はステージに上がることなんて、そんな余裕がある訳では無かった。
振り絞るように、闇の中に向かって声を出した。
終わってから客席を通って、聞き覚えがある声がした。
「○○さん、来ました」
その子は、僕に内緒で僕の発表を見に来ていた。
嬉しかった。
終わってから色々話をして、
帰りは見送りたかったけれど、別の人が間に入って出来なかった。
その日の事を思い返して、僕は力のない体に、本当に染み渡るようにその日の事を思い出している。
僕の人生で、「助けて」と女の子に伝えて、
助けてもらった事は、本当に数えられる事しかない。
数度。
その日は、その子は僕を助けに来てくれた。
僕の命を助けに来てくれた。
初めて、「助けて」という声がその子に伝わったんだ。
こんな事
死ぬ前に思い出したりするのかな。
その女の子は、どこかで楽しく生きている。